2009年9月16日水曜日
SPHによる巻き波のシミュレーション第1回
波の一種に巻き波というものがある。浅海域に進入した波が対称性を失って、前面が切り立った壁のようになり、頂部の水が前に飛び出す形で巻くように砕けるものをいう。
粒子法では、しぶきがあがるような激しい変形を表現することができる。そこで、巻き波をシミュレーションしたいと思った。
左側の境界条件を周期的に動かすことで波を起こしている。また、真ん中から右は斜面になっている。
ところが、結果をみてみるとうまくいかない…
波が減衰して斜面まで届かないのと、斜面の底部分で不自然に左向きの流れが起きているのが気になる。
波が減衰してしまう点については、容器の形や可動壁の動きを調整しようと思う。
斜面の底部分で不自然な流れが起きている点については、理由がよくわからない…境界条件にはペナルティ法を使っているが、そのせいで斜面方向に変に力がかかっているんだろうか?
もうすこし調整が必要そうだ。
■関連するエントリ
SPHによる巻き波のシミュレーション第2回
SPHによる巻き波のシミュレーション第3回
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ラベル:
粒子法
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2 件のコメント:
SPHの取り組み興味深くて、
たまに見させてもらっています。
斜面底で変な流れが生じているって言うことですけど、
ソースを見させてもらったところ、
ペナルティ法っていうのは境界面に対して垂直な方向に作用する力のみを考慮するものなのでしょうか?
流体力学の観点からすると、流体に対して境界面に平行な方向にも力が作用しますよ。
粘性力だったかな?
その影響を考慮すると、境界面に沿って動く粒子の速度は減衰し、
変な流れが生じないかもしれないですよ。
コメントありがとうございます!
参考にしている本をもう一度見直してみると、たしかに粘性力についての記述がありました。
どうやら、現状のコードでは流体と境界面の間に作用する粘性力が抜けているようです。
そのへんを検討してみます。
ありがとうございます!
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